食品衛生責任者養成講習受講記

「食品衛生責任者」とは?

 日本国の食品衛生法では、食品を提供・販売・製造する際には営業許可というものが必要です。この営業許可なのですが、食品衛生法は「都道府県は〜基準を設けなければならない」とか「〜都道府県知事の許可を受けなければならない」とか「都道府県知事は〜許可をしなければならない」など、具体的なことに関しては都道府県に任せています。そして任された都道府県は、条例によってその内容を定めます。その内容に沿った営業許可の基準の1つとして「食品衛生責任者」の設置が義務付けられています。これは全国共通です。つまり食品衛生責任者とは、食品衛生法に基づいて制定された各都道府県条例に定められた公的資格者ということになります。また食品衛生責任者の設置義務は営業者にあります。

※管理人は東京都条例に基づく食品衛生責任者資格を得ました。よってここでは東京都条例に基づき記述するので、予めご了承下さい。

「食品衛生責任者養成講習」とは?

 さて上述のように食品衛生責任者について説明しましたが、どうしたら食品衛生責任者になれるのでしょうか?

@栄養士・調理師・製菓衛生師・食鳥処理衛生管理者・船舶料理士免許の保有者

A食品衛生管理者若しくは食品衛生監視員になる資格保有者

B保健所長(特別区区長)が実施する講習会、知事指定の講習会の受講修了者

C道府県における衛生関係資格の保有者、又は道府県の知事実施の講習会の受講修了者

Dその他知事が食品衛生に関して、同等以上の知識を有する資格として認めた資格の保有者

※但し、道府県には政令指定都市・中核市を含む

が、東京都食品衛生条例に定められた食品衛生責任者になれる条件です。ちなみに管理人はBの東京都知事の指定する、(社)東京都食品衛生協会主催の講習会修了者です。
『食品衛生責任者養成講習』といったら一般的にBを指します。

  • 食品衛生管理者になれる資格保有者…医師、歯科医師、薬剤師、獣医師
    四年制の大学で医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学、農芸化学の課程の修了者等


  • 食品衛生監視員になれる資格保有者…上記食品衛生管理者になれる資格・経歴を有する公務員の中から、厚生労働大臣または都道府県知事等により任命された者をいう。

つまり立派な資格を持っている人は、それだけで食品衛生責任者になれますが、講習さえちゃんと受ければ取れてしまう資格でもあるのです。講習のみで取得できる資格としては、資格マニアの間では結構有名ですw

「食品衛生責任者養成講習」について(東京都条例に基づく)

受講について気になる疑問をピックアップ

  • 住所地、従事経験の有無、学歴等の制限はない。都外在住者も受講可能。


  • 受講年齢制限あり。(17歳以上。但し現役高校生は受講不可)
    一定以上の日本語ができ、登録証明書所持なら外国人も受講可能。


  • 講習は午前9時45分から午後4時30分まで(昼休み12:45〜1:30)
    衛生法規 :2時間  公衆衛生学 :1時間  食品衛生学 :3時間(修了試験含む)


  • 修了試験ができなかったからといって落とされることはない。
    受講会場で社会的常識に欠けた行動をしなければ、合格率は100%。


  • 講習料は10,000円(教材費含む)を受講当日に納める。
    また、希望者には「食品衛生責任者名札」(東京都用)を700円で販売。


 ※ 尚、養成講習会は全国各地様々な形(主催者の違い)によって各地方の条例に基づいて行なわれています。開催日や受講料、認定証などが異なる場合がある為、最寄の保健所・食品衛生協会のサイトなどをご確認下さい。尚、平成9年4月1日より全国標準化に伴い東京都以外の都道府県で受講しても、講習時間・内容・資格は同一になっています。
 また、東京都で受講した場合には原則、日本全国で食品衛生責任者として活躍できますが、既に受講された方で平成9年3月31日以前に東京都以外の一部道府県で受講取得された場合には、6時間という受講時間数を満たしていないため、通用しないことがあります。詳しくは関連団体に確認をして下さい。

食品衛生責任者関連団体リンク(詳細はこちらでご確認を!)

社団法人 日本食品衛生協会

社団法人 東京都食品衛生協会

管理人の受講体験記 (東京都食品衛生責任者養成講習)

 管理人は2008年3月に行なわれた講習に参加して修了しました。尚、東京都条例に基づく体験ですので参考程度にして下さい。

 まずはじめに、法学部生の私が何故受けようと思ったのか。1つは何でもいいから資格が欲しかったから(爆)
 もう1つは、食品に関する知識を得たかったからです。ちょうどその頃は、日本国内での食品偽装問題(牛肉の産地偽装や、白い○人、吉兆さん等)が盛んでした。その時に、食品に関する知識を少しでも得て、自己防衛を図ることができればいいなと思い、食品に関心を持ち、それプラス専門の資格が得れれば一石二鳥だと考え受講しました。講習を受講してみると、食品関連の衛生法規と食中毒の発生状況や排水処理等公的な取組みなどの公衆衛生、微生物の種類や滅菌方法、責任者の使命などの食品衛生を学びました。一度聞いただけでは忘れてしまいますが、その後家に帰ってからは、講習時に貰った教本がとても参考になっています。300ページほどあり、その半分は法令の条文で埋め尽くされていますが、食中毒の予防法や滅菌処理法、菌の種類や感染時の症状など、参考になる部分が多くあります。ぜひ講習会に参加してこの教本をゲットして下さいw
 食品衛生責任者講習は17歳以上であれば受講できますが、現役の高校生は受講できません。この講習は東京都であれば毎月数回行なわれており、1回の収容人数は120〜180人程となっています。この日の講習は東京・原宿にある協会本部のビルの会議室で行なわれました。私が受講した時は209人いました。私は209人中209番目でしたw
収容人数いっぱいいっぱいでの講習で、非常に人気があることを実感しました。講習に参加するときは、ネットで希望日を選んで手続をするのですが、常に1ヶ月先まで満員です。それだけ食品に関心を持つ人が多いのか、それとも責任者としての需要があるのか、とにかく人気です。で、209人中209番目という、なぜ一番最後になってしまったのかというと…
 実は、講習会当日まさかの人身事故で電車が止まってしまい、集合時間を過ぎての到着だったのです。本当はJR線でいけるはずだったのですが、間に合わないと思ったため、急遽地下鉄に乗り換えて向かいました。途中駅で、主催者(食品衛生協会)に電車遅延の連絡を入れ、時間厳守で9時30分集合だったのですが、30分の猶予を貰い10時までに来るようにと言われました。それ以降だと、条例で定めた講習時間を受けられない為、資格者として認められなくなるとのことでした。急いでそして会場に到着したのが9時57分。ギリギリセーフでした。

 そして、実はもう1つ。講習の3日程前に親不知の抜歯をしており、それまで固形物を食えない状態で、ずーと寝ていたのでかなり衰弱していました。この講習も行くかどうか迷っていましたが、友人を誘っており、またこの機会を逃すと次に受講できる時がわからなかった為、頑張って行きました。本当に頑張ったwww 

 まぁ、結局講習だけで取得できる資格として知られてはいますが、こういった経緯が自分自身にはある為、とても思い入れの深い資格となっています。「受講だけ」とは言いますが、平日に行われた為社会人にとっては受講することだって大したものだと思います。

 この講習会で気をつけるべき点は、ただ1つ『万全の体制で臨んで下さい』


 ↑ 講習で使用した教本、同じく配布されたノート


 ↑ 講習終了後に貰った資格者手帳、とその中身


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